【ドナテルロ?ルネサンスだっけ?】受験生のためのGRAPEVINEコラム~KATOKUとTOKAKU編~
さて、凝りもせず受験生のためのGRAPEVINEコラムは第4回。
今回は、歴史ネタだ。
歴史・・・レキシ。
そう、最近レキシというバンドが流行っている。
ここんとこ、フェスでよく稲穂をぶら下げている人を見かける。
あれは、レキシのグッズらしい。
またイロモノが出たのか・・・?
斜に構えて聴いてみたら、これはこれで結構面白い。
教科書に出てくるような日本史ネタに身近な事柄をつなぎ合わせた、長閑な曲調の音楽に仕上がっている。
2017年ののヒットソングは、KATOKUだろうか。
お家騒動(大名間の内紛)という一見シュールなテーマを、親しみやすいメロディに乗せて歌いあげている。
江戸時代に興味をもつキッカケにもなりそうだ。
ところで、GRAPEVINEにはKATOKUならぬTOKAKUという歌が2016年の2月に発売されている。
勿論、楽曲やテーマ全くの別もの。
偶然の類似であることは、少し掘り下げれば明らかだろう。
だが、実はTOKAKUにも歴史ネタが少々隠されているのだから面白い。
まずは、映像を…といいたいところだが、今回も動画が全くUPされていない。
代わりに、アマゾンのリンクから30秒だけ試聴できるのでどうぞ。
(ついでに「ポチっとな」でもいいんだぜ)
https://www.amazon.co.jp/TOKAKU/dp/B01AUX8WGU
(2016年2月3日発売『BABEL,BABEL』の11曲目に収録)
そして、歌詞はこちら。
http://j-lyric.net/artist/a00280a/l039587.html
・ときの「中産階級」は既に「十三階段」
・「プロレタリア」は輪になった
・「馬鹿者のみが行列に立っている」
・「星に碇に闇に顔」ってな
「」内のテーマが歴史に関係ありそうだ。
コトバンク様にまる頼みしながら、概観してみよう。
(解説しなくても、ブログのリンクを押せば用語集にたどり着く気もするが…余計な疑いは禁物だ)
最初の「中産階級」こちらは、
「中世の支配階級であった貴族,僧侶に対して,第三身分として登場した新興の都市商工業者,自由職業者」
分かったようなわからんような話だが・・・
中世のヨーロッパは概ね王政で、貴族や僧侶が幅を利かせていた。
しかし大航海時代の到来や経済政策で、それ以外の商人等の新しい勢力が増大して中産階級になった、ってとこか。
これに対し、「プロレタリア」
「資本主義社会において、生産手段を持たず、自分の労働力を資本家に売って生活する賃金労働者」
とのこと。
この2者は、17世紀~19世紀の市民革命(王政など古くさい体制を打破し、近代的な市民社会を目指す革命)の原動力となった集団。かなり重要なワードである。
少しカタくなってしまった?
本稿では細かい定義や一連の革命まで掘り下げる意志はない。
各自、教科書や参考書等を中心に流れを整理してほしい。
近世ヨーロッパはとにかく革命が多い。
頭が痛くなりがちだが、単なる丸暗記でなく革命が起こった背景を意識しながらの学習をお勧めする。
残りの言葉も見てみよう。
「星に碇に闇に顔」
星は陸軍、碇は海軍、闇は闇市、顔はコネ。
そしてその4つを持てない、馬鹿者のみが行列を作って苦労して配給を待っている。
・・・そう。日本の戦中・戦後すぐの世相を皮肉った言葉である。
「十三階段」とは処刑場。戦後すぐの処刑台の階段が13段だったことに由来する。
流石にここまでマニアックな話は入試に出ないか。
こうやって見ると、KATOKUとTOKAKUは全く違う雰囲気なのにヘビィなネタを軽やかに歌い上げている。
勝手に軽くコラボさせたくなるな。
カラオケで、誰かがKATOKUを入れたあとに、すかさずTOKAKU・・・なんていかが。
え、KATOKUはともかくTOKAKUがカラオケ配信されてない!?
J●YさんD●Mさん、受験生のためにもここはひとつお願いします。
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