きゅうの日記

ライブレポ等雑記置き場です。

【ドナテルロ?ルネサンスだっけ?】受験生のためのGRAPEVINEコラム~カレーとモーパッサン編~

今年もあと少しだよ・・・と。

季節は冬。学生にとっては受験シーズン真っただ中である。

がむしゃらに問題集を解いて一点一点を削り出す、そんな努力も悪くない。

だが、押してダメなら引いてみな。

ここまできたら、たまには音楽でも聴いてリラックスする時間を作りながら本番に臨むくらいがいいかもしれない。

 

ところで、GRAPEVINEというバンドをご存じだろうか。

今年でデビュー20周年。

知名度は高くないが、幅広くメロディのしっかりした楽曲・高い演奏力・豊かな歌詞の語彙力を誇る、日本屈指のバンドである。

 

中でも、ボーカルの田中和将は無類の文学好き。

古典文学も好み、歌詞には文学作品ネタや、そこから発展した歴史ネタ等がふんだんに使われている。

 

 

まずは、たった数分でいい。

以下の音像をご覧いただきたい。

www.youtube.com

GRAPEVINE初~中期の隠れた傑作。

ファンキーなグルーヴが楽しい作品だ。

(2002年10月20日発売『another sky』の4曲目に収録)

さあ、その歌詞のリンクはこちら。

できれば、歌詞を見ながらもう一度お楽しみいただきたい。

http://j-lyric.net/artist/a00280a/l00a103.html

 

さて、何か違和感はないだろうか。

I’m  funky  モーパッサン・・・????

 

そう。モーパッサンだ。サビにむやみやたらとモーパッサンが出てくる。

 

モーパッサンといえば、19世紀フランスを代表する作家の1人である。

そして、この曲にはモーパッサンにまつわる仕掛けが沢山隠されてる。

歌詞をもう少し抜粋したい。

 

・『脂肪の塊』取る カラクリだ

・『ピエールとジャン』はイカレたアフロだ

・『ベラミ』から始まる モーレツな苦悩

そして、

・『女の一生』はファンキーさで決まるぞ

 

なかなかファンキーな歌詞だが、この『』内の台詞。

これらはすべて、モーパッサンの作品なのである。

つまり、この曲のお陰で、モーパッサンの作品を4つも知ることができる。

 

 実はGRAPEVINEをよく知ることで、文学や歴史の基礎教養が豊かになるのだ。

 

入試には、古典文学系の設問がつきものだ。

GRAPEVINEのお陰で、得点できる問題があるかもしれない。

 

「いやいや、そうはいっても歌詞に出る文学ネタは個人の趣味。

入試に合わせた教科書レベルの話なんて、ないでしょ?」

 

勿論そのとおりである。

受験生のために、田中和将が歌詞を書いているわけがない。

実際、筆者もよく知らないようなマニアックな文学ネタがよく歌詞に仕込まれている。

 

ところがどっこい。

特に私立大学の入試には、たまにマニアックなネタが仕込まれることがある。

こうした設問は、通常の入試対策では「捨て問」として扱われる。

ところが、作成者と田中和将の嗜好がたまたま合致していたとする。

そこで問題用紙をめくると、

 

「あれ?この設問・・・GRAPEVINEのあの曲の、あの歌詞に出てきたじゃないか・・・!解ける・・・!解けるぞ・・・・・!」

 

他の受験生にとってはマイナス2点の問題が、貴方にとってはプラス2点になるかもしれない。

たった1点の差が合否を左右するのは、周知の事実だろう。

そう。GRAPEVINEをよく知っていたお陰で、合格につながるかもしれない。

合否の鍵は、実は

GRAPEVINEというバンドを知っているか】

かもしれないのだ・・・!

 

勿論、現実にはGRAPEVINEの文学ネタが入試に出る可能性は低い。

だが、不定期の奇跡が起きれば儲けもんだ。

彼らの音楽を息抜きに、リラックスして本番を迎えていただきたい。

 

 

ところで、先ほどのモーパッサンという作家は短編の名手。

長編もあるが、例えば『女の一生』を実際読むと、いくつかの短編をくっつけたようなぎこちない印象が残る(あくまで筆者の感想です)。

 

・だからこうやってファンキーな短編を残すのだ

 

しっかり、田中和将は作家の性質も理解して歌詞に落とし込んでいる。

 

ちなみに、長編で面白かったのは『ベラミ』。

田舎出身のダメ男イケメンが高貴な女性に取り入ってのし上がっていく作品だ。

高いレストランで見栄をはって連れの婦人の分までお会計を済ませるも、資金が尽きて後でその婦人からこっそりお金を借りるシーンなど、なかなか見もの。

 女性にとっては、少し不快な作品かもしれない。

 

『ピエールとジャン』に関しては筆者も未読。

時間ができたら、是非モーパッサンの作品を味わおう。

 

この作品には、モーパッサンネタの他にも色んな要素が隠されてるようだ。

受験の邪魔にならない程度でそちらもお楽しみいただきたい。

「アルミ鍋」は確か当時アルミ鍋の事故が問題になって引用したはず・・・

 

 

今回はモーパッサン編だが、機会があればまた受験生のための文学ネタを紹介したい。

歴史ネタもあるよ。

能書はもうたくさん?まあそう言わずに。